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伊藤翔太伊藤翔太

持続化補助金の事業計画書サンプル【2026年版】SaaS利用料の経費区分と採択率を高める7つの記入例

SaaS利用料の経費区分はウェブサイト関連費(補助金総額の1/4まで)。第19回公募(2026年4月30日締切)に対応した事業計画書の記入例と、LTV・CAC・業務効率化のBefore/Afterを数値化する書き方を、採択率48.1%の現状を踏まえて整理しました。

持続化補助金の事業計画書サンプル【2026年版】SaaS利用料の経費区分と採択率を高める7つの記入例
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小規模事業者持続化補助金で SaaS 開発・SaaS 利用料を申請する際、最大のつまずきポイントは 経費区分の判断事業計画書の数値化 です。経費区分を誤ると不採択や減額の原因になり、SaaS 特有の KPI を書けないと審査員に事業の持続性が伝わりません。

本記事では、第19回公募(2026年3月6日〜4月30日締切)の最新要領に基づき、SaaS 利用料の経費区分・ウェブサイト関連費の上限ルール・採択率を高める事業計画書の記入例 7 つを、サンプル表と内部リンクで網羅的に解説します。

この記事を読むと次の3点がわかります。

  • SaaS 利用料・クラウドシステム開発費がどの経費区分(ウェブサイト関連費 / 借料 / 機械装置等費)に該当するか
  • 第18回 採択率 48.1% の現状で審査員を動かす事業計画書サンプルの書き方
  • SaaS 特有の KPI(LTV・CAC・MRR・チャーンレート)の具体的な記入例と数値の出し方

SaaS 利用料の経費区分はウェブサイト関連費(早見表)

補助金制度の基本と全体設計の重要性の図解

結論から書きます。 小規模事業者持続化補助金(第19回公募要領 第6版)において、 SaaS 利用料・クラウドシステムの開発費は「ウェブサイト関連費」に分類されます 。借料や機械装置等費ではありません。インターネットを活用するクラウド型サービスの利用料・開発費は、すべてウェブサイト関連費の枠で計上するルールです。

SaaS・クラウドサービスの経費区分早見表

内容該当する経費区分注意点
自社で利用する SaaS の月額利用料ウェブサイト関連費補助事業期間中の利用分のみ
自社で開発する SaaS のシステム開発委託費ウェブサイト関連費プロトタイプ・MVP 開発費もここ
SaaS と連携する LP・サービス紹介サイト制作費ウェブサイト関連費同上
物理サーバー・PC のリース料借料SaaS 利用料はここに入らない
業務用機械の購入費機械装置等費ソフトウェアは原則対象外

ウェブサイト関連費の最大の落とし穴

ウェブサイト関連費には 2 つの強い制限 があります。

  1. 補助金総額の 1/4(最大 50 万円)が上限 。総額 200 万円なら最大 50 万円までしか計上できません。
  2. ウェブサイト関連費単独での申請は不可 。必ず他の経費(広報費・展示会出展費・委託費など)と組み合わせる必要があります。

GSC 上で「持続化補助金 SaaS 利用料 経費区分」「ウェブサイト関連費 SaaS 利用料」と検索しているユーザーの大半は、この 1/4 ルール を知らずに「SaaS 開発費を全額補助金で賄えるか」を調べています。実際には、SaaS 開発費が大きい場合は IT 導入補助金との使い分けが現実解になります(詳細は次章)。

持続化補助金と IT 導入補助金の違い・使い分け

小規模事業者持続化補助金は、 経営計画に沿った販路開拓・生産性向上 を支援する制度です。SaaS を 自社で開発・提供 して市場に売り出す側であれば、原則として持続化補助金が候補になります。

一方、既存の SaaS・IT ツールを 自社の業務効率化のために導入 する場合は、IT 導入補助金が適しています。判断軸は「自分が SaaS の提供側か、導入側か」の 1 点です。

持続化補助金 vs IT 導入補助金 の判断表

観点小規模事業者持続化補助金IT 導入補助金
主な対象販路開拓・生産性向上業務効率化・DX 推進
SaaS の立場開発・提供する側導入する側
補助上限額(通常枠)50 万円(特例で最大 250 万円)450 万円(通常枠)
SaaS 開発費の区分ウェブサイト関連費(1/4 上限)クラウド利用料(年額対象)
採択率の目安(直近)48.1%(第18回)50〜70%(枠による)

同一事業・同一経費で両方を受給することはできませんが、 経費の対象範囲が完全に別 (販路開拓 vs 自社業務効率化)であれば併用申請も可能なケースがあります。事前に商工会・商工会議所または認定支援機関に確認してください。

第19回公募の最新スケジュールと採択率の動向

審査項目に沿ったSaaS特有の収益化シナリオの図解

第19回公募のスケジュール(2026年)

項目日程
公募要領公表2026年1月28日
申請受付開始2026年3月6日
申請締切2026年4月30日 17:00
採択結果発表2026年7〜8月頃(予定)

採択率の推移と現状認識

直近の採択率は次のとおりです。

  • 第17回: 51.1%
  • 第18回: 48.1% (前回比 -3.0pt の低下)
  • 第15回〜第16回: 30〜40% 台に落ち込んだ時期もあり

第17回から第18回にかけて採択率は 3 ポイント低下しており、 「申請すれば半分は通る」という時代ではなくなっています 。SaaS 開発のように事業内容が抽象化しやすい申請ほど、審査員に「具体的に何をいくらで実現するか」を伝える事業計画書の精度が採否を分けます。

【記入例】SaaS 開発向けの事業計画書サンプル

インターネット上には多くの補助金事業計画書サンプルが存在しますが、飲食・小売向けのテンプレートをそのまま SaaS 事業に流用すると審査員には響きません。以下に、SaaS 事業における事業計画書記入例のポイントを整理しました。

SaaS 事業の事業計画書サンプル表(NG例 vs OK例)

審査項目(記載項目)一般的な記入例(NG例)SaaS 事業での具体的な記入例(OK例)
顧客ニーズと市場の動向「建設業界は人手不足であり、IT 化のニーズがある」「建設業界の 2024 年問題(残業規制)に伴う現場管理の効率化ニーズが急増。ターゲット市場規模は約 500 億円と推計(〇〇社調べ)」
自社や自社の提供する商品の強み「当社は技術力が高い」「業界特化型の UI 設計と、既存の会計ソフトとシームレスに連携できる API 連携機能により、導入後の学習コストを最小化できる点」
経営方針・目標と今後のプラン「売上をアップさせる」「導入初年度は月額課金(MRR)で 100 社導入を目指し、LTV と CAC のバランスを最適化しながらシェアを拡大する」
補助事業で行う事業名・内容「Web サイトを作る」「新規機能(AI による自動見積もり機能)のプロトタイプ開発費、および Web 広告による初期のリード獲得施策」
業務効率化(生産性向上)の取り組み「作業が便利になる」「顧客の事務工数を月間 30 時間削減(前年比 40% 減)。自社もサポートツール導入で対応時間を半減させ、浮いたリソースを機能開発に充てる」

サンプルを自社に適用する際の最大のポイントは、 自社固有の強み実現可能な数値計画 が整合しているかどうかです。

SaaS ビジネスは初期の開発投資が大きく、収益化までに時間がかかる「J カーブ」を描く傾向があります。資金計画に無理がないか、解約率(チャーンレート)を抑えるカスタマーサクセス施策が計画に盛り込まれているかが、事業の持続性を判断する重要な指標になります。

SaaS 開発で採択率を高める 7 つの記入ポイント

採択を勝ち取るには、審査員に対して事業の実現可能性と有効性を 論理的・定量的 に伝える必要があります。ここでは、持続化補助金の事業計画書サンプルを活用して採択率を高める 7 つのポイントを解説します。

1. SaaS 特有の KPI(LTV・CAC など)を明記する

一般的な小売業・飲食業向けの事業計画書では、単発の売上や来店客数が主な指標です。しかし SaaS 事業では、継続的な利用を前提としたサブスクビジネスモデルの構築方法を説明する必要があります。

事業計画書に組み込むべき主要 KPI は次のとおりです。

  • 顧客獲得コスト(CAC): 1 社を獲得するために必要なマーケティング・営業費用
  • 顧客生涯価値(LTV): 1 社が契約開始から解約までに得られる総収益見込み
  • 解約率(チャーンレート): 月次または年次の解約割合。チャーンレートの計算方法と目安も参照
  • 月次経常収益(MRR): 毎月安定して発生する売上ベース

これらの数値を現実的なシナリオでシミュレーションし、「初期開発費・マーケティング費を、どの期間で回収して黒字化するか」の道筋を明確に示します。エクセルで具体的に組みたい場合はSaaS 事業計画書のエクセルテンプレートが参考になります。

2. 業務効率化の効果を Before/After で数値化する

補助金の審査では、事業単体の成長性だけでなく、社会的な課題解決への貢献や波及効果も評価されます。特に 業務効率化の取り組みは賃金引上げと関係が深く、加点要素 になります。

  • Before: 従来の手作業や表計算ソフトでのデータ管理で、担当者 3 名で月間 120 時間の入力作業が発生、エラー修正に月間 30 時間を費やしている。
  • After: SaaS のデータ連携により、入力作業が月間 15 時間に短縮(87.5% 削減)。エラー修正時間がゼロになり、浮いたリソースを新規開拓に振り向ける。

「便利になる」「手間が省ける」という定性的表現は避け、削減時間と人件費換算を具体的に提示すると強力なアピールになります。

3. ターゲット市場のニーズと PMF への道筋を示す

事業計画書を審査する上で重要なのは、「顧客の課題をどう解決し、自社の売上拡大にどうつなげるか」というストーリーの説得力です。SaaS ビジネスにおいては、顧客が抱える切実な課題を解決し、サービスが市場に受け入れられる状態であるPMF(プロダクト・マーケット・フィット)を達成できるかが成長の鍵を握ります。

単なる機能の羅列にならないよう、ターゲット市場の具体的なニーズと、初期顧客をどのように獲得していくかの道筋を明確に記載してください。個人事業主の場合は個人事業主向けの事業計画書テンプレートも参考にすると、書式・KPI の落とし込みが速くなります。

4. 競合優位性と独自の強みを明確にする

SaaS ビジネスは無形商材であるため、どの顧客のどの課題を解決するのかを、解像度高く言語化することが不可欠です。

ターゲット業界の市場規模、競合他社の既存システムとの機能的な違いを明確にし、自社の SaaS が市場で受け入れられる根拠を提示します。「業界特化型の知見がある」「特定の業務フローに最適化された UI を持っている」など、競合には真似しにくい独自の強みを言語化してください。

5. ウェブサイト関連費の 1/4 ルールと経費配分の全体設計

経費計上のルールと成長戦略の提示の図解

冒頭で触れたとおり、 ウェブサイト関連費は補助金総額の 1/4 まで、かつ単独申請は不可 です。SaaS 開発費だけで申請を組み立てるとこのルールに抵触します。

採択される計画書では、SaaS システム開発プロセスに沿ったプロトタイプ開発費(ウェブサイト関連費)に加え、展示会への出展費、パンフレット制作費、広報費など、他の経費とバランスよく組み合わせた全体設計が求められます。経費比率の目安は次のとおりです。

経費区分目安比率内容例
ウェブサイト関連費25% 以下(必須)SaaS 開発費・LP 制作費
広報費20〜30%Web 広告・SNS 広告
展示会等出展費15〜25%業界展示会への出展
機械装置等費・委託費残り検証用機材・外注設計費

6. 審査項目を網羅し公募要領に適合させる

インターネット上で公開されている事業計画書サンプルは、あくまで一般的な事業を想定したひな形に過ぎません。サンプルをそのままなぞるのではなく、第19回公募要領(第6版)が求めている「自社の強み」「市場の特性」「提供する製品・サービスの優位性」といった項目に対して、漏れなく回答する必要があります。

公募要領の審査項目(加点項目含む)をチェックリスト化し、すべての項目に対して自社の事業計画がどのように応えているかを一つずつ確認しながら書き進めてください。

7. 専門家や AI ツールを活用し客観性を持たせる

事業計画書の作成には多大な労力がかかりますが、近年は生成 AI を活用して作成業務を支援する SaaS やツールが登場しており、効率化と精度の向上が期待できます。AI ツールを活用することで、市場データの収集や文章構成にかかる時間を大幅に削減できます。

また、認定支援機関や IT 導入支援事業者などの専門家による伴走支援も有効です。専門家の視点を取り入れながら持続化補助金の事業計画書サンプルを読み解くことで、自社だけでは気づきにくい事業の強みや、審査で評価されやすいポイントを的確に言語化できます。SaaS 事業全体の資金調達方法の選び方を整理しておくと、補助金単独ではなく VC・融資との組み合わせ戦略まで描けます。

よくある質問(FAQ)

Q. SaaS 利用料は「ウェブサイト関連費」と「借料」のどちらに計上しますか?

ウェブサイト関連費です。 インターネットを活用するクラウド型サービス(SaaS)の利用料・開発費は、第19回公募要領上ウェブサイト関連費に分類されます。借料は物理的な設備のリース料が対象であり、SaaS 利用料は含まれません。

Q. SaaS 開発費を全額補助金でまかなうことはできますか?

できません。 ウェブサイト関連費は補助金総額の 1/4(最大 50 万円)が上限です。SaaS 開発費が大きい場合は、IT 導入補助金との使い分け、または自己資金・融資との組み合わせを検討してください。

Q. 個人事業主でも SaaS 開発で持続化補助金を申請できますか?

はい、要件を満たす小規模事業者であれば個人事業主も申請可能です。事業としての継続性や収益化の道筋を事業計画書でしっかりと示す必要があります。

Q. IT 導入補助金との併用は可能ですか?

原則として、同一事業内容・同一経費に対して複数の国庫補助金を重複受給することはできません。開発費・販路開拓費(持続化補助金)と、自社用ツール導入費(IT 導入補助金)など、対象経費と目的が完全に別であれば併用申請可能なケースもありますが、事前に事務局や専門家に確認してください。

Q. 第19回の採択率はどのくらいですか?

第19回の結果は 2026 年 7〜8 月頃に発表予定です。直近の第18回は 48.1% (第17回 51.1% から 3 ポイント低下)でした。SaaS のように抽象的な事業内容ほど、具体的な数値計画と KPI 設定が採否を左右します。

まとめ

本記事では、SaaS 開発・SaaS 利用料を小規模事業者持続化補助金で申請する際の 経費区分の正しい判断 と、採択率を高める事業計画書サンプル・記入例の 7 つのポイントを解説しました。

要点を再掲します。

  • SaaS 利用料・クラウド開発費は ウェブサイト関連費 に区分(借料ではない)
  • ウェブサイト関連費は補助金総額の 1/4 が上限・単独申請不可
  • 第18回採択率は 48.1% 。数値計画の精度で差がつく時代に
  • LTV・CAC・MRR・チャーンレートを必ず事業計画書に組み込む
  • 業務効率化は Before/After の具体的な数値で示す

持続化補助金の事業計画書サンプルを参考にしつつ、SaaS 特有の KPI と数値計画を盛り込めば、採択の可能性は大きく高まります。本記事のチェックポイントを押さえて、第19回(2026 年 4 月 30 日締切)以降の公募に向けて事業計画書を磨き込んでください。

業務を変えるSaaSと、社内AIシステムを。

B2B 向けの SaaS プロダクトや、企業の業務課題を解決する社内向け AI システムを、企画・設計・開発・運用まで一貫対応。マルチテナント・課金・権限管理といった SaaS 基盤から、LLM を活用した社内ナレッジ検索・ドキュメント生成・業務自動化まで、事業と組織の成長に直結するシステムを構築します。

伊藤翔太

伊藤翔太

大学卒業後、外資系IT企業にてSaaS製品の法人営業とカスタマーサクセスを経験。その後、国内のBtoBスタートアップに参画し、新規SaaS事業の立ち上げからグロースまでを牽引しました。現在はSaasラボの専属ライターとして、SaaS事業者に役立つ実践的な最新トレンドやノウハウを発信しています。

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