SaaSとオンプレミスの違いとは?7つの比較ポイントと安全なセキュリティ要件【2026年版】
SaaSとオンプレミスの違いは、インフラ管理責任の所在と、それに伴うコスト構造・運用負担の差にあります。本記事ではIPA『クラウドサービス安全利用の手引き』(2026年3月 第4.0版)を一次ソースに、7項目比較表・ユーザー数別5年TCO目安・責任共有モデル・必須セキュリティ要件7選を、システム担当者の判断手順に沿って整理します。

SaaSとオンプレミスの違いは、インフラの管理責任が「ベンダー側」にあるか「自社側」にあるかという点に集約されます。 SaaSはベンダーがサーバー・OS・ミドルウェアを保守するため初期投資と運用負担を抑えられ、オンプレミスは自社が全レイヤーを保有するためカスタマイズ性と統制力が高い、という違いです。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が2026年3月に第4.0版を公開した『中小企業のためのクラウドサービス安全利用の手引き』でも、SaaS利用時は「ベンダーと利用者が役割・責任を分担する」前提が明記されています。
本記事を読むと次の3点がわかります。
- SaaSとオンプレミスの違いを7項目で比較した全体像と、ユーザー数別の5年TCO目安
- SaaS特有の「責任共有モデル」と、自社側が担うべき責任範囲(IPA一次ソース準拠)
- SaaSを安全に導入するために必須の7つのセキュリティ要件とベンダー確認チェック項目
SaaSとオンプレミスの違いを7項目で比較(早見表)
SaaS(Software as a Service)はクラウド経由でソフトウェアを利用する形態、オンプレミスは自社施設にサーバーを設置して運用する形態です。両者の違いは「所有」か「利用」かという根本的な差から、コスト構造・導入スピード・カスタマイズ性・セキュリティ責任範囲まで多岐に及びます。
| 比較項目 | SaaS | オンプレミス |
|---|---|---|
| インフラ所有 | ベンダーが保有 | 自社が保有 |
| 初期コスト | 低(月額・年額のサブスクリプション) | 高(サーバー購入・構築費用) |
| 導入スピード | 数日〜1カ月 | 数カ月〜1年以上 |
| カスタマイズ性 | 低〜中(ベンダー仕様の範囲内) | 高(自社要件で自由に設計可能) |
| 保守・運用 | ベンダーが担当 | 自社の情報システム部門が担当 |
| アップデート | 自動・常に最新版 | 手動・自社で計画的に実施 |
| データ保管場所 | ベンダーのクラウド | 自社データセンター |
総務省「令和6年版情報通信白書」によると、国内企業のクラウドサービス利用率は77.7%に達しており、基幹システム以外の領域ではSaaSへの移行が標準的な選択肢となりつつあります。一方で、機密性の高いデータや高度なカスタマイズが必要な領域では、オンプレミスやハイブリッド構成を維持する企業も多く、両者の特性を理解した使い分けが重要です。
オンプレミスとクラウド全般(IaaS・PaaS含む)の比較はオンプレミスとクラウドの違いを5つの判断基準で解説する記事、5年TCOの計算方法はオンプレミスとクラウドのメリット・デメリット比較表とTCOシミュレーションで詳しく扱っています。
SaaSのメリット・デメリット
SaaSの最大のメリットは、初期投資を抑えながら短期間で導入でき、インターネット接続環境があればテレワークや出張先からでも利用できる柔軟性です。サーバーの保守・OSアップデート・セキュリティパッチ適用などのインフラ運用はベンダーが担うため、情報システム部門は自社業務に直結する設定や運用設計に集中できます。
一方のデメリットは、業務フローをベンダー提供の仕様に合わせる必要があり、独自要件への対応が難しい点です。ベンダーがサービス提供を停止した場合のリスクや、長期間利用するとオンプレミスより総コストが上回るケースがある点にも留意が必要です。
オンプレミスのメリット・デメリット
オンプレミスのメリットは、自社要件に合わせて自由に設計・カスタマイズでき、社内ネットワーク内で完結させることで機密性を確保しやすい点です。既存の社内システムとの密接な連携や、業界固有のコンプライアンス要件への対応もしやすくなります。
デメリットは、サーバー機器の購入費用や構築費用といった初期投資が大きく、中堅企業が基幹システムを構築する場合は初期投資として1,000万〜3,000万円程度が必要となるケースが一般的です。導入には数カ月から1年以上を要し、運用後もハードウェア保守・OSアップデート・障害対応といった運用負担が継続的に発生します。年間の運用保守費用は初期投資の15〜20%程度が目安で、5年程度でサーバー機器の更新も求められます。最新動向として「クラウドからオンプレミスへ戻す」判断軸も増えており、詳細はオンプレミス回帰とは?クラウドから戻す8つの判断基準で整理しています。
SaaS vs オンプレミス:ユーザー数規模別の5年TCO目安と損益分岐点
「結局どちらが安いのか」を判断するには、5年間の総所有コスト(TCO)で比較するのが実務的です。ユーザー数と利用年数によって最適解が変わるため、ベンダー提示の月額単価だけでは判断できません。
| 規模・期間 | 有利になりやすい形態 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| ユーザー100名以下・5年運用 | SaaS優位 | 初期投資が小さく短期で立ち上がるためTCOで上回りにくい |
| ユーザー100〜500名・5年運用 | 業務領域による | 基幹系はオンプレ、情報系・人事系はSaaSの併用が現実的 |
| ユーザー500名超・7年以上の長期運用 | オンプレミスが上回るケースあり | サブスクの累積でSaaSの優位性が薄れる |
ただし、TCO計算ではサーバー機器更新費(5年に1回)・人件費(運用要員の工数)・電力/空調費・データセンター利用料も含めて積み上げる必要があります。月額利用料が安く見えてもユーザー単価課金のSaaSは従業員数増でコストが膨らみ、逆にオンプレは見えにくい運用人件費が継続発生する点に注意が必要です。
特に「全業務をどちらか一方に寄せる」必要はなく、機密性の高い基幹系はオンプレ、コラボレーション・人事・経理などはSaaSというハイブリッド運用が現実的な落とし所になることが多くなっています。
SaaS導入前に知るべき「責任共有モデル」とは
SaaSを安全に活用するためには、自社でサーバーを管理する従来のオンプレミスとは異なるセキュリティの考え方が求められます。その前提となるのが「責任共有モデル」です。

SaaSとオンプレミスのセキュリティ責任範囲の違い
SaaSとオンプレミスの最大のセキュリティ上の違いは、ネットワークやサーバーインフラの管理責任がSaaSベンダー側にある点です。この違いは運用面だけでなく、SaaSとオンプレミスの経理・会計処理の違いといった社内管理のプロセスにも影響を与えます。
オンプレミスからクラウドへ移行する場合、ハードウェアの保守やOSのアップデートといったインフラ層の運用負担は大幅に軽減されます。SaaSとは何かという基本概念から、SaaS特有のメリット・デメリットや仕組みを正しく理解することで、企業は保守管理の手間を省き、コア業務にリソースを集中できるようになります。
どこまでが自社の責任になるのか
インフラの保護はベンダーが担いますが、システム上に保存されるデータや、誰にどのようなアクセス権限を与えるかといった運用面は、依然として利用企業側が責任を持ちます。
たとえば、社員がSaaSのログインパスワードを簡易なものに設定し、それが漏洩して不正アクセスされた場合、これは利用企業側の責任となります。この「責任共有モデル」の境界線を正しく把握し、自社でコントロールすべき領域のルールを明確にすることが、SaaSセキュリティ対策の第一歩です。ベンダー任せにするのではなく、自社が担うべき責任範囲を認識して運用体制を構築しましょう。
IPA一次ソース:中小企業がSaaS導入時に確認すべきセキュリティチェック項目
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)は2026年3月、『中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン』を第4.0版に改訂し、付録として『中小企業のためのクラウドサービス安全利用の手引き』を更新しました。SaaS導入企業はこの一次ソースに沿って、ベンダー選定時のチェック項目を整備するのが現実的です。
第4.0版で新設・強化された3つの観点
- サプライチェーン強化(SCS評価制度) :自社単独ではなく取引先・委託先のセキュリティ対策状況まで含めて説明・確認できるかが問われる
- 生成AI利用時のリスク :SaaSに付帯する生成AI機能を業務利用する際の情報漏洩・誤情報リスクと、利用ポリシーの策定
- チェックシート形式の運用 :ベンダーが提示できる情報(SLA・データ取扱条件・解約時のデータ消去手順など)を一覧で照合する形式
IPAの手引きでは、SaaSベンダーを選定する際に「ベンダーがセキュリティ対策・SLA(稼働率・復旧目標時間)・データ取扱条件・解約時のデータ消去手順を明示しているか」を確認することが推奨されています。これらは後述の7つのセキュリティ要件にすべて含まれます。
自社で用意すべきSaaS利用ポリシー(最低5項目)
- 利用可能なSaaSの申請・承認フロー(シャドーIT防止)
- 入力可能なデータ種別の定義(個人情報・営業秘密の取扱可否)
- アカウントの棚卸し頻度(推奨:半年に1回以上)
- インシデント発生時の連絡経路と一次対応責任者
- 退職者・異動者のアカウント停止までの所要時間(推奨:即日)
これらは IPA ガイドラインの「組織としての対策」「人的対策」セクションを SaaS 文脈に落とし込んだものです。サービスごとに個別の運用ルールを作るより、まずこの 5 項目を全社共通ルールとして定義してからベンダー個別の運用設定に進む方が、シャドーIT 化や棚卸し漏れを防ぎやすくなります。
要件1. アクセス制御と認証基盤(MFA・SSO)
インターネット経由でデータを取り扱うクラウドサービスの特性上、強固な認証基盤は欠かせません。IDとパスワードのみに依存した認証は、リスト型攻撃などの不正アクセスリスクを大幅に高めます。

多要素認証(MFA)の強制や、既存の社内システムと連携できるシングルサインオン(SSO)への標準対応が必須要件となります。具体的には、Azure AD(Entra ID)やOktaといったIDaaS(Identity as a Service)とSAML連携できるかどうかがポイントです。
特に、従業員がリモートワークなどで社外からアクセスする機会が多い場合は、「社内IPアドレスからの接続はパスワードのみ、社外からはMFAを必須とする」といった柔軟なアクセス制御や、デバイス証明書を用いた端末認証機能が備わっているかも重要な判断基準です。事業のセキュリティポリシーに適合する認証方式をサポートしているSaaSを選ぶことで、情報漏洩の危険性を最小限に抑えることができます。
要件2. 最小権限の原則に基づくアカウント管理
システムに入った後の操作範囲を制限する「認可」も重要です。ユーザーの役職や業務内容に応じて、必要最小限の権限のみを付与するロールベースアクセス制御(RBAC)が柔軟に行えるかを確認します。

たとえば、「営業担当者には自分の顧客データの閲覧・編集権限のみを与え、システム管理者にはユーザー追加や設定変更の権限を与える」といった細かな権限設定が可能かどうかが問われます。
また、退職者や異動者のアカウントを即座に停止・削除する現場の運用フローを確立し、ゴーストアカウントの発生を防ぐ必要があります。放置された退職者のアカウントは、外部からの攻撃経路として非常に狙われやすくなります。半年に1回など、定期的に全ユーザーのアクセス権限を棚卸しし、最小権限の原則が現場で徹底されているかを確認する運用体制を構築します。
要件3. データの暗号化とバックアップ体制
システム上に保存される機密データが、通信経路および保存時の両方で強力なアルゴリズムによって暗号化されているかを確認します。通信経路の暗号化(TLS/SSL)は当然として、データベースに保存された状態(Data at Rest)でもAES-256などの規格で暗号化されているかが重要です。

さらに、ランサムウェア被害やシステム障害に備え、ベンダー側で定期的なバックアップが取得されており、迅速に復旧できる体制が整っているかも判断ポイントです。例えば、「日次バックアップが別リージョン(遠隔地)に保存され、過去30日分はいつでも復元可能であるか」といった具体的な運用基準を確認します。SLA(サービスレベル合意書)において、稼働率や復旧目標時間(RTO)が自社の業務継続計画(BCP)の要件を満たしているかを確認してください。
要件4. インシデント対応とログの監査機能
予期せぬシステム障害や不正アクセスのリスクを完全に排除することはできません。そのため、万が一インシデントが発生した際に、いつ・誰が・どのIPアドレスからログインし、どのような操作を行ったかを追跡できるアクセスログの取得機能が必須です。
具体的には、「深夜帯や海外のIPアドレスから、通常は行わない大量のデータダウンロード試行があった」際にアラートを上げる仕組みや、管理者が権限を変更した履歴が監査ログとして残る機能が求められます。
ログが最低でも1年間は保存され、必要に応じてCSV等で出力・監査できるかを確認してください。また、自社内でも定期的にログをモニタリングする運用ルールを設け、インシデント発生時の初動対応マニュアルをあらかじめ整備しておく必要があります。
要件5. 外部システム連携(API)の安全性
SaaSは単体で利用するだけでなく、他のクラウドサービスや社内システムとAPI連携して利用するケースが増えています。APIを通じてデータが自動的にやり取りされるため、連携部分のセキュリティ対策も不可欠です。
例えば、顧客管理システム(CRM)とマーケティングオートメーション(MA)を連携させる際、IDとパスワードを直接受け渡すのではなく、OAuth 2.0などの安全な認証プロトコルを利用しているかを確認します。API連携用のトークンやAPIキーの有効期限が適切に管理され、不要になった連携を即座に解除できる機能があるかどうかも、チェックリストに含めてください。
要件6. 第三者認証(ISMS・SOC2など)の取得状況
SaaSベンダーのセキュリティ水準を客観的に評価するため、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)やSOC2(Service Organization Control 2)といった第三者機関によるセキュリティ認証を取得しているかを確認します。
ISMSは情報セキュリティ管理体制の国際規格(ISO/IEC 27001)であり、SOC2はクラウドサービス事業者の内部統制を評価する米国公認会計士協会の基準です。特にエンタープライズ向けのSaaS選定においては、「SOC2 Type2レポートを提出できるか」が必須要件となるケースが増えています。これらの認証は、ベンダーが適切な情報保護体制を構築・運用していることの証明となります。導入を検討しているSaaSがどのような認証を取得しているかを事前に確認しましょう。
IPAガイドライン第4.0版で取り込まれたSCS評価制度(サプライチェーン強化)の観点では、取引先からも「委託先(SaaSベンダー)のセキュリティ認証取得状況を説明できるか」が問われるようになっており、第三者認証の確認は自社単独の判断材料ではなく、サプライチェーン全体の説明責任を支える材料として重要性が増しています。
要件7. エグジット戦略(退会時のデータ消去・移行)
利用終了時のデータ保護(エグジット戦略)も、導入段階で検討すべき要件です。将来的なサービス移行や事業撤退に備え、蓄積したデータを安全かつ容易にエクスポート(CSVやJSON形式など)できるかを確認します。
また、退会後にベンダーのサーバー上から自社のデータが確実に消去される手順が明記されていることも重要です。「解約後30日以内にすべてのデータおよびバックアップから完全消去し、消去証明書を発行できるか」といった具体的な条件をベンダーに確認してください。データが残存し続けると、将来的な情報漏洩のリスクとなります。
加えて、サブスクリプションの解約・返金ポリシーなど、退会に伴う契約条件が適切に定められているかも導入前に確認しておきましょう。
よくある質問(FAQ)
SaaSとオンプレミスはどちらが安全ですか?
「どちらが安全か」は一概には決まらず、運用体制次第です。SaaSはベンダーが専任チームで24時間365日の監視・最新パッチ適用を行うためインフラ層のセキュリティ水準は高くなりやすい一方、アカウント管理や権限設定など利用者側に残る責任を放置すると不正アクセスの主因になります。オンプレミスは自社で全レイヤーを統制できる反面、専門人材と運用コストを継続投下できなければ脆弱性が放置されやすくなります。自社の運用体制を冷静に評価したうえで、責任共有モデルを正しく運用できる形態を選ぶのが安全につながります。
責任共有モデルとは何ですか?
責任共有モデルとは、クラウドサービスのセキュリティ責任を「ベンダー」と「利用者」で分担する考え方です。SaaSの場合、サーバー・ネットワーク・OS・ミドルウェア・アプリケーションのインフラ層はベンダーが、ユーザー管理・アクセス権限・データの内容・利用ポリシーは利用者が責任を持ちます。IPAのガイドラインでも「役割・責任を分担する」前提でチェックシートが構成されており、自社が担うべき範囲を明確に文書化することが第一歩となります。
IPA「中小企業のためのクラウドサービス安全利用の手引き」は何を求めていますか?
2026年3月公開の第4.0版(『中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン』の付録)では、ベンダー選定時に(1)セキュリティ対策の開示状況、(2)SLA(稼働率・復旧目標時間)、(3)データ取扱条件、(4)解約時のデータ消去手順を確認することが求められています。第4.0版ではこれに加え、サプライチェーン強化(SCS評価制度)と生成AI利用時のリスクへの対応が新設・強化されました。本記事の7つのセキュリティ要件は、このIPAチェック項目をベンダー選定の現場に落とし込んだ内容と対応しています。
SaaSとオンプレミスの損益分岐点はどこですか?
5年間のTCOで比較した場合、ユーザー数100名以下・5年運用であればSaaSが優位になりやすく、500名超・7年以上の長期運用ではオンプレミスがTCOで上回るケースもあります。ただし、サーバー機器更新費・運用要員の人件費・電力/空調費まで含めて積み上げないと正確な比較にはなりません。判断軸の詳細はオンプレミス回帰の8つの判断基準も参考にしてください。
SaaSとオンプレミスのハイブリッド運用は可能ですか?
可能で、むしろ中堅・大手企業では現実的な選択肢になっています。機密性の高い基幹系(会計・人事マスタなど)はオンプレミスまたはプライベートクラウドで内製化し、コラボレーション・営業支援・経費精算・人事労務などはSaaSを採用する併用構成が一般的です。判断軸はデータの機密度・カスタマイズ要件・既存システムとの連携可否です。SaaSとPaaS・IaaSの違いを理解した上での切り分けについてはSaaSとPaaS・IaaSの違いを参照してください。
まとめ:SaaSとオンプレミスの違いを理解し、安全に導入を進める
SaaSとオンプレミスの違いは、インフラ所有形態に起因する責任範囲・コスト構造・運用負担の差として現れます。SaaSはベンダーがインフラを管理する分、初期投資と運用負担を抑えられる一方、データやアカウント管理は引き続き自社の責任となるため、責任共有モデルを正しく理解した運用設計が不可欠です。
本記事で解説した7つのセキュリティ要件(アクセス制御・最小権限・データ暗号化・ログ監査・API連携・第三者認証・エグジット戦略)は、IPA『中小企業のためのクラウドサービス安全利用の手引き』(2026年3月 第4.0版)のチェック項目と対応しています。ベンダー選定のチェックリストとして活用し、情報漏洩リスクを最小限に抑えながら、自社にとって最適なクラウド運用を実現しましょう。
なお、自社でのセキュリティ要件定義やベンダー選定が難しい場合は、SaaS導入コンサルティングなどの専門家の知見を取り入れながら、自社の環境に最適なSaaS導入を進めてください。具体的なサービス選定の際は、国内のSaaS企業ランキングと市場動向なども参考にしつつ、社内システムとの連携要件や、SaaSとPaaS・IaaSの違いなどを正しく理解した上で、安全で最適なクラウド環境を見極めましょう。

業務を変えるSaaSと、社内AIシステムを。
B2B 向けの SaaS プロダクトや、企業の業務課題を解決する社内向け AI システムを、企画・設計・開発・運用まで一貫対応。マルチテナント・課金・権限管理といった SaaS 基盤から、LLM を活用した社内ナレッジ検索・ドキュメント生成・業務自動化まで、事業と組織の成長に直結するシステムを構築します。

伊藤翔太
大学卒業後、外資系IT企業にてSaaS製品の法人営業とカスタマーサクセスを経験。その後、国内のBtoBスタートアップに参画し、新規SaaS事業の立ち上げからグロースまでを牽引しました。現在はSaasラボの専属ライターとして、SaaS事業者に役立つ実践的な最新トレンドやノウハウを発信しています。
関連記事

MAツール比較7選【2026年版】国内シェアランキング・無料/有料・BtoB/BtoC選び方一覧
国内MAツールのシェア上位はBowNow 23.0%・HubSpot 20.3%・Account Engagement 13.4%(DataSign 2026/1)。7製品を厳選し、料金一覧表・無料/有料の早見表・BtoB/BtoC振り分け・中小企業向け絞り込み・カオスマップ的5タイプ分類・AI自律度比較まで一次ソース付きで網羅。タイプ別フローチャートで自社に合う1製品が3分で絞り込めます。

中小企業のCRM選び方|失敗を防ぐ7つのチェックリストと主要5製品料金比較【2026年版】
中小企業のCRM導入失敗の根本原因は「選定基準が曖昧なまま製品比較に入ること」。本記事は社員10〜100名のSMB向けに、HubSpot・Salesforce Starter・Zoho・kintone・eセールスマネージャーの主要5製品を実際の月額料金で比較しつつ、目的適合・操作性・コスト・連携・サポート・セキュリティ・拡張性の7軸チェックリストを提供します。デジタル化・AI導入補助金で最大3/4をカバーする方法も整理。

資料トラッキングツール比較9選|営業資料が"読まれたか"を可視化するデジタルセールスルームの選び方【2026年版】

無料CRMツールおすすめ6選【2026年版】HubSpot・Zoho・Bitrix24のフリープランを徹底比較
2026年時点の永久無料CRM6選を一次ソース付きで比較。HubSpot 2名・1,000件、Zoho 3名・5,000件、Bitrix24 無制限ユーザー、Freshsales 1,000件(無制限ではない最新仕様)、Salesforce Free Suite 2名・AI内蔵、Ambassador Relations Tool 1万件まで整理しました。

リードナーチャリング事例7選|商談化率を2倍にした育成プロセスとMA活用【2026年版】
リードナーチャリングの実在SaaS事例7選を、商談化率2.5倍・問い合わせ10倍・有料移行率30%改善などの具体的な数字とともに紹介。Sansan×Marketo連携、SmartHRのAccount Engagement、freeeのMarketo Engage活用など、一次ソース付きで育成プロセスの全貌を解説します。

【2026年最新】SFAツール比較ガイド|選定基準8つとおすすめ5選の料金・機能を徹底解説
SFA導入の失敗率は70%、定着課題を抱える企業は約6割(Hammock調査)。本記事はSalesforce・eセールスマネージャー・Mazrica Sales・HubSpot Sales Hub・Sansanの5製品を月額料金と機能で横並び比較し、定着までを見据えた8つの選定基準を体系化した実務担当者向けガイドです。